校長ブログ
個別指導
2021.07.17
カリキュラム・マネジメント
7月17日
1:3の習熟度別少人数制による英語の個別指導(放課後)を行うという新任教員から効果的な方法やクラス分けについての助言依頼がありましたのでお答えします。
集団指導と個別指導では、その目的と方法において根本的な違いがあります。集団授業は、初めて習うというのが前提であり、新出事項の導入と解説を行い、例題でインプット、演習問題でアウトプットを図るというのが一般的です。
一方、個別指導は、slow learnersなら学習履歴を洗い出し、既習事項の理解不足、積み残し、ケアレスミスなどを修正、修復しながら基礎基本を固めつつ、到達度アップにつなげなければなりません。(もちろん、理解が速く、習熟度の高い生徒には到達度に合わせた臨機応変の対応をします)
放課後、個別指導を行うにしても、多忙な教員の日常の校務を考えると限られた時間、週1回、よくて数回が限度です。教える側は「動詞の概念がつかめておらず、be動詞の使い方と意味を正確に理解していないために、一般動詞の把握にまで至っていない」といったようなつまづきを的確に把握し、ピンポイントで指導する必要があります。その意味で平常授業の復習と定着こそが最も効率の良い個別指導と言えるでしょう。
習熟度別の少人数制個別指導を行えばすぐに生徒の力がつくと思ってはいけません。学力をつけるにはそれなりの工夫が要ります。まず、生徒との人間関係を構築するために、ティーチャー・トークの中で一人でも多くの生徒とのインタラクションを増やすことをお勧めします。
次に生徒の音読量とモデル・リーディング、アクティビティーの頻度を増加させ、マンネリ防止にも配慮してください。アクティビティーは生徒を細かく観察する絶好のチャンスです。例えば、スピーキング活動の中での表現やノートチェックをきめ細かくすることも可能です。板書を写すことに集中するあまり授業内容を理解していなかったり、ノートを取らない生徒もいるのでノートの取り方も指導するケースが出てくるかもしれません。
また、補助教材としてワークシートを作成するときは、生徒の学力に合わせた達成感のある、スパイラル型のものとし、机間巡視しながら採点、訂正を行い、ワンポイント・アドバイスをするのが効果的です。ただし、教科書を読んで、新出単語をノートに書き出す、本文をノートに写すといった予習や音読や和文英訳といった復習の仕方から始めなければならないこともあります。成績は学校での授業の受け方と家庭学習の取り組み方に比例することを肝に銘じておいてください。
クラス分けについて言えば、定期考査や学期ごとにメンバーを入れ換えて授業の活性化を図ることが大切です。時には自分より到達度が高い生徒のよい意味での影響、リーダー的存在の生徒によるおとなしい生徒へのメンタル・フォローなど、新しいメンバーと机を並べることによって、新たな発見も期待できます。他の先生方との連携も密にしながら効率のよい編成を考えてみてください。
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