校長ブログ
小学校英語について
2021.06.29
教科研究
6月29日
現在、小学校の教員であり、教科化された英語を教えたいという方からのご相談です。これまで語学を本格的に学んだことがなく、また、学生時代、英語が得意でなかったため、どのように教えてよいかよくわからないので、"初心者"へのアドバイスをお願いしますとのご要望です。
小学生に英語を指導する場合、まず、教える側が学習者モデル、つまり、英語でコミュニケーションしようとする姿勢を子供に見せることが大切です。そして、メッセージを伝え合う喜びを一緒に体感しながら英語を楽しむことが長続きの秘訣です。よく中高生の指導で数字(成績結果のこと)を追うと数字が逃げ、生徒を見ると数字が上がると言われますが、一人ひとりへの対応の積み重ねが教育効果となるのは小学生でも同じではないでしょうか?
事前段階で、授業で使う簡単なクラスルーム・イングリッシュやテキストに出てくる語彙、さらに児童の興味・関心によって必要とする"生活語彙"はしっかりとインプットしておかなければなりません。単語リストを覚えるだけの単調な作業ではどのような場面で使うのかわかりにくくなり、"魂の入った"授業になりません。従って、具体的な授業場面を設定する意味で、小学生の英語指導を実践している同僚や中学英語担当者を生徒に見立て仮想空間をつくり、模擬授業をすることによってより的確なアドバイスが得られるようにしておくとよいでしょう。(誰でもwinnerになれるゲームなど、英語学習の動機づけになる工夫もお忘れなく!)
実際の授業で留意しなければならないのは、児童が間違えて発話した場合の訂正の仕方です。トップ・ダウンで直接間違いを訂正すると学ぶ意欲を失ったり、英語を使う意識が低下する危険性があります。そこで、正しい表現を何度も繰り返しながら、児童に自ら間違いを気づかせるボトム・アップ型の方向づけを心がけましょう。例えば、一斉指導でモデル・センテンスを練習した後、児童一人ひとりが正確な表現ができているかどうか確認、共通して間違っている箇所があれば全体で自信を持って言えるところまで反復するといった具合です。また、特定の児童に間違いが見られる場合、正しい表現の再提示を通じて気づきを促しますが、いずれにせよ、できたら笑顔と褒め言葉で子供の活動意欲につなげるようにしましょう。常に英語の正しい形を求めるのではなく、伝え合う上で支障のあるところのみを訂正することが肝要です。その際、ジェスチャーを駆使したり、ユーモアを交えて感情移入すると効果的です。
授業ではなるべく多くの英語を聞かせたり、使わせたりするために、絵に描いたりする作業などは家庭学習にした方が時間の有効活用につながります。だだし、自宅で聞く練習を増やす場合は、学習した内容の関連教材からなる歌などを利用することをお薦めします。なお、小学生英語はアクティビティーが中心となるため、児童が負担と感じるような宿題は避けた方がよいでしょう。
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