校長ブログ

医歯薬系の入試問題-英語-

2021.06.26 教科研究
6月26

 医歯薬系の大学における英語の入試問題の傾向としては、長文読解が数題+英作文というのが一般的です。ふつう、読解問題は1題が医療関係の論説文、もう1題は、他の大学と同じように、言語論や文化論など、多様なジャンルから出題されています。英作文が加味されるということもあります。その意味で、医療系英語の読解以外は他の受験生と学習方法は変わりないということになります。医療関係をテーマとする論説文読解では、再生医療など最新の、あるいは成人病など、従来から出題されているものまでかなり広範囲にわたるものの、テーマはほぼ限られており、類似したものになっています。

20210421-457.jpg

 また、理系論説文特有の展開で、過去の通説を覆す新たな発見がポイントとなり、① 問題提起 仮説 ⇒③ 実験・検証 結論という「情報提供型」になっていることが多いのも事実です。記述を中心とする国公立とスピードを要求する私立では答案作成の手順は異なりますが、国公私立を問わず、類似するテーマの過去問を読み込む習慣をつけることが第一歩です。One Paragraph One Idea(1つのパラグラフの中で、筆者の主張は1つ)をおさえ、パラグラフ内外のつながりを把握し、未知語を類推するといったリーディング・スキルは必須。語彙もdiabetes(糖尿病)やtuberculosis(結核)など、かなり専門的な語彙が出てくるため、最初は戸惑うかもしれませんが、数は多くないので、脚注のついていない語は覚えておいた方がよいでしょう。

 新説・実験結果を表すときに使う決まり文句はおさえておきましょう。テーマは理系の生徒にとってはお馴染みの内容であることが多く、慣れればそれほど難しく感じることはないはずです。東京医科歯科大のように超長文を読んで要約したり、自分の意見を述べる問題も見られます。(2020年のテーマは、朝食が本当に1日にうちで最も重要な食事か否かでした)

 ケアレス・ミスが目立つのは、要約問題で「筆者の主張」となる部分がおさえられていないケース、「譲歩」となっている部分や「逆接」となっている部分を「根拠」として読み間違うケース等です。専門的で時事的なトピックと英文の長さに最初は閉口するかもしれませんが、万全な準備をしてほしいと思います。