校長ブログ

AIとの役割分担

2021.05.13 トレンド情報
5月13

 コロナ禍でオンラインによる面接試験が増加していますが、AIを活用した採用方法を取り入れる企業も増えてきました。応募者が作成した自己PR動画をAIに解析させ、合否の参考にするといった手法です。しかし、一見、効率的にも見えるものの、評価にバラツキが見られるといった課題もあり、人に始まり人が最終判断するというやり方に戻したところもあるようです。

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 現在、AIが面接官を"面接"するオンライン・サービスが登場。ZENKIGEN(東京)がその一例です。動画から表情や姿勢、声の抑揚、発話量など、約300にもわたる項目をAIが分析し、改善を促す仕組みとなっており、受験生のプレッシャー軽減にもつながります。最新バージョンでは、学生の心理状態まで算出し、改善点がフィードバックされるそうです。

 AIが分析する項目には行動心理学の知見に加えて、口のしまり具合や目つき、″間"の取り方といった情報まで含まれるとのこと。基本的には、面接者と学生がパソコンのカメラを通じて対話しますが、日時や結果も記録可能。顧客は3年前の3倍だそうです。

 心理状態を表す指標として、面接者の話をどれくらい真剣に聞いているかを示す「尊敬」と面接者に対してどの程度、心を開いて話しているかを示す「信頼」があり、結果は2つの指標の時系列変化をグラフで表示されます。今後、どう改善すべきかを自動表示する機能をもたせる方向であり、料金は1面接あたり数百円で検討しているとのこと。ちなみに、パーソルキャリアの調査(約300名)によれば、面接者の印象によって「志望度が左右される」と回答した割合は約9割だそうです。

 約2,700社にオンライン面接サービスを提供しているというスタジアム(東京)は、東北大発のAIスタートアップ、アダンソンズ(仙台)と連携して、AIによって面接者の発言や表情、発話量、うなづき等を解析し、面接者に話が伝わったかどうかを判定、学生にフィードバックできる機能の共同開発を進めています。同時に、内容を解析して文が長すぎる、修飾語が多すぎるといった分析もしてくれるそうです。

 以前の学生なら面接の合否結果しか知らされず、どこを修復すればよいがわからなかったわけですが、そこが改善されるだけでも学生にとってメリットであり、成長につなげることが期待できます。AIに任せる部分と人が行う部分の棲み分けのサンプルと言えます。