校長ブログ

紙とデジタルの共存

2021.04.16 トレンド情報
4月16日

 2024年度から学校で本格導入するデジタル教科書について、長時間の利用で姿勢や目が悪くなる、小学校低学年で紙の本に慣れる機会が減る、教員の習熟度に不安があるなどの懸念から、文科省は、当面、デジタルへの全面切り替えを見送りました。そして、紙との併用を前提に、本年度から全国の約半数の小中学校(小5~中3)で実証事業を行い、効果的な使い方を検証するとのこと。有識者会議では、ガイドラインを改訂するだけでなく、教員のスキル・アップをはかるのと同時に、無償措置の対象についての検討が始まっています。

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 学校教育法が改正され、2019年度から導入できるようになったデジタル教科書は、紙と同じ内容をタブレットで見ることができ、アダプティブ・ラーニング(個別最適化学習)が容易になるだけでなく、学習履歴の把握に役立ちます。小中高での導入率は、2020年度にほぼ全校に学習用端末が配布され、今年から教科書の9割以上がデジタルでも発行されるなど、利用環境が整備されつつあります。また、教科書の内容がデータ化され、学校や自治体が購入するため、家庭が費用を負担する必要もありません。

 コロナ禍でオンライン授業が本格的に始まり、高速回線と1人1台の端末提供を目指す国のGIGAスクール構想が前倒しされたため、教育DX化が加速しています。DX化によって、一人ひとりの潜在能力を引き出すアダプティブ・ラーニングが可能になり、個々の目的に応じていつでもどこでも安価なプログラムで受講できる体系的なオーダーメード型教育が構築されつつあるのです。また、システム上で管理された学びの記録は、自分の成長がわかる指標となります。

 生徒たちは、デジタル教科書と講義の動画を見ることができ、到達度に合わせた教科書、指導が上手な先生の授業が受けられるのです。加えて、各単元に対応したテストやリポートもあり、結果も記録されることからインターンやプロジェクトといった取り組みが、生徒個々の探究心や創造性につなげることが期待できます。

 本校にもDX化に対応した教育を展開するため、ICT教育推進部が新設されました。「山手ルネサンス」の実現に向けて、時代が求める実践を試みていきたいと思います。